Richard Wagner : DaS rHeINGoLD
18th, 20th, 22rd September 2015 at Jahrhunderthalle Bochum
ラインの黄金
《前書き》
今、話題の指揮者クルレンツィスが、ラインの黄金を振る(彼のワーグナー・デビュー)。しかも、ルールトリエンナーレという、以前から気になっていた芸術祭で、今年がプレミエの新演出!
2015年9月には何年か振りのシルバーウィークがあり、有給休暇をつけて、出かけることにした。
ルールトリエンナーレのサイトの説明も期待を持たせる記述になっている。
英語版:https://www.ruhrtriennale.de/en/das-rheingold
ドイツ語版:https://www.ruhrtriennale.de/de/das-rheingold
まず、作曲者と作品について
- ワーグナーはラインの黄金でルール地域の物語を語っているように見える。
- ラインの黄金は、1848年頃の若きワーグナーが抱いていた革命的左翼思想を反映した作品である。
- ワーグナーは人類を精神的に作り変えるような神話的な体験を作り出すことを欲していた。
演出家と指揮者の抱いた課題について
- どうすれば、ワーグナーの最も急進的にして、かつ、劇場的なスコアの持つ革命的なパワーを現代に蘇らせることができるのか?
- どうすれば、ワーグナーの反資本主義的メッセージと神話的な体験という概念を伝えることができるのか?
さて、どんなラインの黄金を経験できるだろうか?
《会場》
会場であるJahrhunderthalleは、非常に大きな工場として使われていた建物で、その建物の幅と同じ長さのガラス張りのスペースが建物の正面に追加されており、そのスペースの左端にはバー、その隣に軽食コーナーや案内所兼記念グッズのお店、書籍やレコードの出店が右端に向かって並んでおり、そこかしこに現代アートが置かれている。
ホール内に入ると、奥にオペラ会場が設営されているが、そこまでの空間がオペラ会場並みに広い。巨大な工場の右奥にコンサート会場を設営し、残りの空間を奥と手前で半分に分けて、奥がオペラ会場に、手前が空きスペースになっている。
オペラの開演日には、開演前に、右奥のコンサート会場で、今回のプロダクションの登場人物(歌手では無い)のStefan Hunsteinによる「ラインの黄金」の説明会が開かれていた。
オペラ会場への入り口は、観客席から見て左手になるが、観客だけでなく出演者もここから出入りをすることになる。
《オペラ会場》
オペラ会場に入ると、舞台は3階層になっていて、手前の一番低い階層に、四角い池(プール?)が左右に三つ並んでいる。池には女性のマネキンが三体(左に一体、中央に二体、全員頭を右に向けて)倒れている他に、遺跡の断片のような陸になった部分もある。
中央の池の陸の手前にガラスの装飾品を散りばめたオブジェが意味あり気に立っている。が、このオブジェは使われなかった。
そこから階段を6段段上った階層に指揮台とオーケストラ席が設置され、さらに階段を数段上った階層に、三階建の新しい建造物の白いファサードが見え、その右側手前に椅子が置いてある。
観客の入場が始まったあたりから、白いファサードの前に執事が手持ち無沙汰に立ったり座ったりしている。彼は開演前にオペラの解説をしていたStefan Hunsteinで、オリジナルの台本にはないこのプロダクションで追加された登場人物で、かなり重要な役割が与えられている。
開演前からファフナーが左手の外の空きスペースをウロウロしているのが、観客席から見える。
《クルレンツィス登場》
左手の入り口からクルレンツィスが左右の二人の男性と手を組んで、一見、二人に連行されるように登場。もう一人の手ぶらの男性が一緒に舞台に上がる。この三人の男性はコントラバス奏者なので楽器を手にしていない。
続いてファゴットの二人が楽器を手にして登場。二人とも東洋系の顔立ちの男性だ。次にホルン奏者が登場。ホルン奏者の最後は日本人かなと思える小柄で黒髪の女性。左手からはバイオリン奏者が、右手からはチェロや木管楽器奏者が順次登場し、手前の池から階段で6段高い位置にある真ん中の階層に着席する。
オーケストラの団員はユースオーケストラかと思う程、ほとんどが非常に若い人たちだ。
実は、公演後、街中でバイオリンケースを持った数人のグループを見かけたので、もしやと思い尋ねてみると、オーケストラの団員で、少しお話ができたことも良い思い出になった。
クルレンツィスは黒装束で、靴はハイカットで、レースアップのカジュアルなシューズ、ボトムは脚にピッタリした細身のズボン、トップスは袖がかなりゆったりした長袖のシャツ。黒く無いのは赤い靴紐だけ。その出で立ちだけでもバレーダンサーのように見えるが、彼の軽やかな指揮振りがその印象をさらに強く感じさせる。
《前奏曲》
指揮台のクルレンツィスは、精神統一をしているのだろうか、指揮を始めるまで、指揮台に両手を突いた前屈みの姿勢で暫く静止状態。
やがて前奏曲が始まるが、このホールには、ラインの黄金の最初の持続低音が延々と鳴っており、その低音がオーケストラに切り替わり、やがて木管が入ってくるといった流れになる。
《第一場》
炭鉱労働者風の出で立ちのアルベリヒが左手の入り口から登場、左の池に長靴で入っていくと、頭を左にして横たわる。
右手からかなり高齢の女性が、年齢を感じさせるようなゆっくりと、よちよちとした歩き方で池の中に入ってくる。池の中にマネキンと金色の子供用ワンピースを一瞥すると、右端に戻って右端の池の縁に腰掛けるが、その途中で中央の池の二体のマネキンの間の水の中から何か小石のようなものを拾い上げる。彼女はじっとこれから起きる事件を目撃するのだが、ラインの黄金に高齢の女性の登場人物はいないので、一体誰なのかは、後で彼女が歌い出すまで分からなかった。
ラインの乙女は、指揮者の右手に譜面台?を前にして座って歌い出す。演奏会形式でよくある配置なので、あまり演技はしないのかと思ったが、順番に手前の池に降りてきて相当活発に演技をすることになる。
3人は、濃い青色のワンピースに長靴というのは共通しているが、明確にキャラクター付けがされており、Woglindeは濃い色の髪、キャピキャピというか活発そう、Wellgundeは茶色の髪で大人の女性というかセクシーな、Floßhildeはブロンドで、クールビューティといった印象。Wellgundeのスカートは他の二人より切れ込みが深く、池の中で腰掛けた時には、ストッキングのガーターが見えたりする。
アルベリヒがラインの乙女に求愛するが、ラインの乙女たちは、倒れていた三体のマネキンを各人が使って、アルベリヒを揶揄う。マネキンの脚をアルベリヒに向かって広げたり、アルベリヒにマネキンの大きな胸が見えるように着ているトップスを下から捲り上げたりして、アルベリヒを挑発する。
Wellgundeがアルベリヒを誘惑しだしてアルベリヒがWellgunde向かうと、Woglindeがこちらの方が良いのではと言わんばかりにマネキンの着ているトップスを脱がせてその大きな胸を露出させる。Floßhildeも面白がって席から池に降りてきてアルベリヒを揶揄う。
マネキンを介することで、ラインの乙女たちは、アルベリヒを誘惑するものの、それは本心ではないことが上手く表現されていたと感じた。また、エロティックな演技や、絡み合いを生身の女性にさせないで処理した点は、実務的にも上手い処理だろう。
アルベリヒは、三体のマネキンを抱きしめたり、キスしたりと組んず解れつの熱演をしていると、ラインの黄金の光が差し込んでくる。
どうも、三人の中はしっくりいっていないようで、Floßhildeが黄金の秘密を喋らないように忠告すると、Wellgundeは何よ、お利口さん振ってという表情を見せる。歌詞に沿ったというか、歌詞の内容を強調した演出である。
マネキンを抑え込んだアルベリの背中に三人が馬乗りになるが、アルベリは三人を振り落とし、耳を押さえて苦悶の表情を見せる。
アルベリヒは、愛を呪う捨て台詞“so verfluch’ ich die Liebe!”を力強く歌うが“ich”だけは一瞬泣く様に表情を付けて歌うことで、彼の揺れ動く心境を表現していた。
他の歌手たちの歌唱も、綺麗に音符を再現すると言うよりは、演劇の台詞のように豊かな表情付けがされていたが、このアルベリヒの泣く様な“ich”がその良い例だろう。
“die Liebe!”の後で、スコアにない小型ロケットの発射音のような10秒程の電子音が鳴り響くが、すぐ、本来の音楽が続く。
アルベリヒは黄金(見た目は黄金というよりは、岩の塊)を奪って去っていく。
黄金の強奪を見ていたのは、右端に座っている老女だけでない。少し前から上の階層から現われた小柄な男性が、ラインの乙女が座っていた指揮台右横の椅子に腰掛けて、ラインの乙女たちとアルベリヒのやり取りを興味深そうに見ていたが、黄金が奪われると、素早く上の階層に走り去っていく。
黄金を失ったライン乙女たちは、欠片でも残っていないか池の中を探して、欠片を幾つか拾ってFloßhildeが両手で自分の前に持ち上げたスカートに集めるが、やがて、Floßhildeが手を放し、拾ったものを全て捨ててしまう。拾ったものは黄金ではなく、気休めに過ぎなかったのだろう。
ラインの乙女はマネキンを引き摺って左手に去っていく。Floßhildeがマネキンを引き摺るWellgundeを助ける。仲が悪そうに見えた二人であるが、この最悪の事態に二人の関係も修復されたのだろう。ステージの左の通路で用意された白いガウンを羽織って退場。
《第二場》
中央の池でアルベリヒが三体のマネキン相手に格闘しているあたりから、上の階層では、第二場が始まっている。実業家風のスーツ姿のヴォータンが登場、執事に飲み物を出させて椅子に腰かけて寛いでいる。
実は、ラインの乙女が欠片を探している間に、第二場の音楽が始まっているので、一番下の階層と一番上の階層で別のドラマが同時進行している。
違う階層で別のドラマが同時に進行していることが多いのも、この演出の特徴で、ステージ全般に気を付けている必要がある。ステージは左右の幅も広く、3階層になっているため高さも相当あり、全部を視野に入れておくことは(今回、前の方の席に座ったこともあるが)なかなか難しかった。
ヴォータンのシンボルは片目と契約の文字を刻んだ槍だが、この現代風のヴォータンの眼鏡は、右目のガラスに色が付いていて片目の様にも見える。
流石に槍は出てこないだろうと思ったら、内ポケットから取り出した万年筆が槍あるいは契約の象徴のように扱われていた。例えば、私の槍が契約を守ると言うところで、胸ポケットから取り出して自分の前に掲げるポーズをとるのだ。
現代の契約は署名で締結されるので、契約の象徴として署名に使う万年筆を使っているのだろう。
第二場で一番ショッキングなのは、フライアの扱いかもしれない。首輪を付け、テカテカ光る黒いラテックス素材のブラジャー、パンツ、太股までの長いブーツ、つまり、SM風の衣装なのだ。この女性が本来のフライアの登場前から舞台上で執事といちゃついたりして、誰だろうと思っていたのだが、実は、彼女がフライアなのである。
男性の愛玩の対象としてのフライアを表現したのだろうか。そのフライア、ロングドレスをSM風の衣装の上に着ると、途端に上品な女性に変身してしまうのだ。胸元からチラリと見える黒いブラジャーさえなければ、彼女の裏?の姿は全く想像できない。
フリッカが登場し、ト書き通りヴォータンに詰め寄った後で、あなたも言いなさいよとばかりにフライアを突いてけしかける。フライアは(ト書きでは登場しながら歌う)「助けて、お姉様、お兄様」と歌い出すが、その後で、突くことないでしょと言わんばかりに、フリッカを引っ掻く様なポーズを取る、といったコミカルな味付けがされていた。
ステージは工事現場の囲いの様な通路に囲まれており、左から現れた巨人二人はヴァルハルの背後を回って右側からヴァルハルの前に降りてきた。
オーケストラ奏者が立ち上がって、巨人の登場する際の音楽を演奏する。
ここでフライアはドレスを着せられて、首輪は着けたままであるが、印象がガラッと変わる。
フロー、ドンナーが登場。彼らは、品の良さそうなネクタイにスーツ姿。えんじ色なのはフリッカの衣装と同じ色。
フローとドンナーと巨人二人のやり取りは、フライアを巡ってコミカルなドタバタ劇として展開される。例えば、ファフナーにネクタイを掴まれてビビるフローの背中をドンナー、フリッカが頑張りなさい!と言わんばかりに後ろから押していく。
ヴォータンは背広の内ポケットから取り出した萬年筆を前にかざして「この槍に彫られたルーネ文字が契約を守る」と歌う。
さてローゲ(予想通り、アルベリヒの黄金の強奪を目撃していた小柄な男性だ)が登場、アルベリヒがラインの乙女達から黄金を奪った経緯を話す。
ローゲに指環を「奪う」のですと言われたヴォータンは膝をついて悩む。神の身であるのでそれは嫌だったのだろう。お坊ちゃんのフローは、目を見開いて口を大きく開けて、そんなお下品な!という表情を見せる。
ファフナーから、フライアの代わりに黄金を要求しようという提案を耳打ちされたファーゾルトは、最初は、プイと肩をいからせて離れてしまうが、少し考え込んだ後で、ファフナーの方に振り向いて頷く。
やがて、交渉は決裂、巨人族がフライアを連れ去ると、ヴォータンが躓くように前のめりになって座り込む。黄金の林檎のパワーが無くなってきたのだろう。
執事が黄金の林檎を載せた大皿を持って池の前に降りてくる。林檎は腐りかけており、執事が床に落とすと、グチャグチャに崩れてしまう。
ヴォータンがニーベルハイムに行くことを宣言、Verwandlungsmusikが始まるが、音楽が高まる部分で再びオーケストラが立ち上がる。
《今回の演出で追加された場面》
打楽器のみの部分が終わりかける所で、ワーグナーのト書きとスコアにはない、追加された場面が始まる。
ファーゾルトが舞台奥から登場、指揮台の前に置かれた金床の前に仁王立ちして、手にした大きなハンマーでガンガン叩く。
オーケストラの団員は持ち場を離れ、指揮台の横に置いてあったハンマーを手に取り、観客席の右左の通路に消えていく。私の席からは良く見えなかったが、観客席の周りの柱や壁を叩く即興演奏?をしていたと想像する。
執事役のStefan Hunsteinが拡声器を片手に、会場のそこかしこから聞こえるハンマーの音の聞こえる中、演説を始める。演説といったが、舞台の上を叫びながら動き回る(例えば、オーケストラの階層からプールの階層に飛び降りる)インパクトのあるものだった(6、7分はあった)。演説の内容は、資本主義や権力を批判する内容であったが、字幕にドイツ語と英語訳が出るとはいえ、舞台狭しと動き回る彼の動きを追いながら、細かい字幕を見るのは大変だった。
演説が終わり、オーケストラのメンバーが席に戻って、即興演奏(のように聞こえる)演奏を行った後で、本来の音楽に戻る。
《第三場》
ニーベルハイムに到着したヴォータンとローゲは、炭鉱労働者風のズボンに、顔には土汚れが付いている。
ヴォータンやローゲが神々の出で立ちのままでニーベルハイムに現れる演出がほとんど(少なくとも私はそうでない演出を見たことがない)、実は、この出で立ち、第四場の演出に上手く繋げているのだ。
隠れ頭巾は普通の炭鉱労働者用のヘルメット、大蛇はアルベリヒが自分の腕をクネクネさせるだけ、蛙はアルベリヒが蛙のように腰を落として座ってみせるだけ、アルベリヒの命令に従って黄金を運んでくるのはミーメのみ。運ばれてきた黄金も普通の石に見えるし、4つくらい重ねるだけ。
舞台装置を工夫してト書きを再現しようという意図は無いようだ。これはこれで、簡潔で悪くなかった。
ヴォータンが黄金をローゲが隠れ頭巾を奪ったあとで、ローゲは「解放しますか?」とヴォータンに訊きながらも、指を指差して指環を取るように示唆する。
ヴォータンは、執事に右手の掌を広げて、何かを持ってくるように指示する。
何かを5つ持ってこいという意味かと思ったが、手術用?の手袋が運ばれてきた。
ヴォータンは両手に手袋を嵌めると、万年筆でアルベリヒの首の辺りに一切り(?)加えると、アルベリヒは絶叫し、指環はヴォータンの手に渡る。
ローゲやヴォータンは既にヴァルハルの前に登って、炭鉱労働者の服から執事が用意した夜会服に着替え出した。もう、フライアと交換する黄金は手に入れたので、新築パーティの準備を始めたのだろう。
《第四場》
巨人に付き添われて戻って来たフライアはすぐにドレスを脱いで、黒い下着と革のブーツの悩ましい姿に戻る。
彼女の姿を見えなくなるように黄金を積む場面では、執事が重そうに運んできたお盆の半球の蓋を開けて、黄金色の子供用のワンピースを取り出して彼女の前方に置く。
悩ましい姿のフライアに子供用のワンピースは合わないが、そこに炭鉱作業用のヘルメットを被せるのでミスマッチ感が大きくなる。
話は進んで、巨人族から指輪を要求されたヴォータンが拒否すると、冒頭から右端に佇んでいた女性が、舞台中央に歩いて出てくる。
実は彼女はエルダで、最初から一部始終を見ていたという設定なのだが、かなり年配の女性の設定であり、この後、ワルキューレ達を産む様には見えない(神様だから年齢は関係ないのかも)。
エルダの忠告に従い、ヴォータンは指輪を巨人族に渡すと、ファーゾルトとファフナーは仲違いを始めファーゾルトは殺される。
《ラストシーン》
左の池では、ミーメが、指環を奪われて落胆するアルベリヒを抱き抱え、右の池では、ファフナーが、自分が殺してしまったファーゾルトの右隣に呆然と座り込む。中央の池では、ヴォータンがエルダにすがるように寄りかかっている。
ファフナーがファフナーを二三回突いて、もしかしたら生きているのではないかという淡い期待を持っていることを暗示していた。
エルダがヴォータンに何かを渡したように見えたが、エルダが最初に登場した時に拾った黄金の欠片らしきものだろうか。
《演奏》
オーケストラ、歌手とも高い水準であった。オーケストラはしなやかで、力強く、繊細で、指揮者の統率力とオーケストラの自発性がうまく噛み合っていると感じた。歌手たちも、演技も上手くこなしながら、表情を相当つけた歌唱を危なげなく披露してくれたので、じっくり聴くことができた。
《演出》
私はこの演出は非常に気に入った。
電子音の追加や、演説シーンの追加については、初回の時には違和感を感じなくもなかったが、二回、三回目と鑑賞するうちに抵抗なく受け入れることができた。
確かに、彼らがホームページに書いたような壮大な課題が達成されたのかについては疑問を感じなくもないが、刺激的かつ楽しい舞台であったことは間違いない。
電子音の追加や、演説シーンの追加については、初回の時には違和感を感じなくもなかったが、二回、三回目と鑑賞するうちに抵抗なく受け入れることができた。
確かに、彼らがホームページに書いたような壮大な課題が達成されたのかについては疑問を感じなくもないが、刺激的かつ楽しい舞台であったことは間違いない。
少なくとも、帰国後、新国立劇場で鑑賞した「ラインの黄金」のように退屈感を覚えることがない、生き生きとした活気のある舞台作品になったと思う。
Wotan - Mika Kares
Donner - Andrew Lee Foster-Williams
Froh - Rolf Romei
Loge - Peter Bronder
Alberich - Leigh Melrose
Mime - Elmar Gilbertsson
Fasolt - Frank van Hove
Fafner - Peter Lobert
Fricka - Maria Riccarda Wesseling
Freia - Agneta Eichenholz
Erda - Jane Henschel
Woglinde - Anna Patalong
Wellgunde - Dorottya Láng
Floßhilde - Jurgita Adamonytė
Sintolt, der Hegeling, Diener - Stefan
Hunstein
Conductor : Teodor Currentzis
Orchestra : MusicAeterna
Director : Johan Simons
Electric music : Mika Vainio
Stage design : Bettina Pommer
Costume : Teresa Vergho
Light : Wolfgang Göbbel
Sound design : Will-Jan Pielage
Dramaturgy : Tobias Staab, Jan Vandenhouwe
A production by Ruhrtriennale
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