Richard Wagner : Lohengrin
25th April 2015 at Deutschen Oper Berlin
ベルリン・ドイツ・オペラのホルテン演出のローエングリンは2012年4月15日にプレミエ、2012/2013に再演、そして、今回の2014/2015シーズンと続き、さらに、次の2015/2016のシーズンにも上演される。
2014/2015シーズンでは、12月の2回と4月の2回で配役が異なり、4月ではフォークト、ハルテロス、グロイスベック、ランドグレン、マイヤーがキャスティングされている。
2015/2016シーズンも日によって配役が二通りあるので、例えば、フォークトがお目当てなら、彼が出る日であることを確認して予約を取りましょう。
私は、再演の2013年3月16日に鑑賞したが、今回のキャスティングとはフォークト、グロイスベック(彼は他の日に出ていたが、当日は確か代役であった)が共通している。
演出が非常に興味深かったことに加えて、マイヤーのオルトルートが聞けることから、また、足を運ぶこととなった。
舞台が始まる前に、劇場の人がマイクを持って舞台に登場した際には、誰がキャンセルしたのかと焦ったが、歌手はだれも問題はなく、カーテンを上げ下げする装置の調子が悪く、一番外側のメインのカーテンが使えないとのことで、一安心。
実際には、第一幕の終わりだけは、代用品の殺風景なカーテン(板?)がすごく遅いスピードで降りてきましたが、第二幕以降は装置が直ったのか、立派な紅色のカーテンが降りてきましたし、所謂カーテンコールも行われました。
ホルテンの演出の根底に流れるものは、戦争の悲惨さへの批判だと思われる。
まず、幕が開くと舞台には、沢山の人間が横たわっており、次第に、戦いの終わった戦場に倒れた兵士の亡骸であることが判ってくる。オーケストラの弦楽器に木管が加わるあたりで、舞台奥から女性が一人、二人、三人、四人と舞台に進み出て、死んだ兵士たちのなかで、自分の家族を探していく。金管が輝かしく響く際に、自分の家族の亡骸を発見したのだろうか、女性の一人が苦悶の声を上げる。前奏曲の清らかで神聖な響きとは明らかに異質な舞台が展開され、その強烈な対比には目が釘付けになる。同時に、この物語のバックグラウンドにある、隣国との戦争を嫌でも認識させられる。
前奏曲が終わると一旦幕が下り、おそらくは、倒れていた兵士がそのまま立ち上がって、ドイツ国王を歓迎するブラバントの人々を演じるというスマートな舞台処理。
一般的な演出では、生真面目な人間として描かれる伝令は頭に包帯をしており(その包帯に少し血糊が付いているのが不気味)、ブラバントの人々に国王への歓迎の意を表わすように裏で促したり、それを受けたブラバントの人々は、片手でポケットのあたりを叩くという、気乗りのしなさそうな態度だったりと、アイロニカルな演出が続く。
さて、エルザが右手から舞台中央に現れるというか、手枷足枷、目隠しまでされて、引き立てられて来る。このような格好のエルザを見たブラバントの人々が、「なんと清らかに見えることか」と歌うのも、相当なアイロニーを感じざるを得ない。
オルトルートは、エルザに付き添って中央に一緒に進み、さも気を使っているように見えるが、エルザが目隠しを外してほしいというようなポーズを見せると、さっと離れて右手の端に行ってしまう。
結局、目隠しはローエングリンが登場して少したってから外されるのだが、目隠しを外してもらったエルザが初めて実物のローエングリンを間近に見て、ハッとする表情を見せるという流れに繋げるあたりは芸が細かい。
テルラムントが国王を前にエルザを糾弾する間、オルトルートはテルラムントの少し後ろで、彼をバックアップしているような仕草を見せているのは、糸を引いてるのは彼女だということだろう。
伝令の呼び掛けに応えてエルザのために戦おうと名乗り出るものは誰もいないのだが、皆、応えないだけはなく、すこし子供っぽいポーズで両手で目を手で塞ぐというすこしコミカルな演技が付けられていた。
あわやその場でエルザが処刑される寸前に、舞台奥から白い煙が上がり、その煙の中で手に持っていた天使のコスプレみたいな白い羽根を背負ってから、ローエングリンが舞台に登場。
禁問の誓いの場面では、ローエングリンとエルザが中央で歌うのだが、ただ一人、二人のやり取りを右手で聴いているオルトルート以外は、全員後ろを向かせることで、嫌が応にも二人のやり取りに観客の神経を集中させるだけでなく、この三人を軸に物語が進んでいくことも表現するという意味でも効果的な演出だと思う。
ローエングリンとテルラムントの戦いは、舞台奥から上がってくる白い煙の中にローエングリンが一旦消えて、相手を見失ったテルラムントが煙の奥から再び現われたローエングリンにあっさり敗北するという演出で、やや拍子抜けの感もあるが、剣を実際に交えるような演出でも迫真の決闘シーンは実際上難しいので、これもまたスマートな処理と言えるであろう。
敗北したテルラムントは、右手で見ていたオルトルートの方に頼るように駆け寄るのだが、さっとオルトルートが身をよけて、テルラムントは転けて倒れるという少しコミカルな味付けがされていた。
テルラムントがつけていた首飾り(ブラバントの支配権の象徴か)は、ローエングリンのものとなり、ローエングリンを中央にブラバントの人々が彼を取り囲むという決めのポーズで第一幕は終了。
なお、メインのカーテンの調子が悪く、代用品のような殺風景なカーテン(板?)が下りてきたのだが、下りてくるスピードが遅く、出演者たちは下りきるまで待ちきれずに、途中で流れ解散?となった。従って、所謂、カーテンコールは無し。
第二幕は、巨大な十字架の形をした装置が宙吊りになっており、この巨大な十字架の装置は、エルザが出てくるテラスになるのだが、キリスト教支配の暗喩かもしれない。
その巨大な十字架の下の地面で、テルラムントとオルトルートがやり取りをしているのだが、やがて、オルトルートがテルラムントを右手端にうつぶせに横たわるように指示する。
すると左手から十字架の上を歩いてエルザが出てくる。オルトルートは、罪を償おうと反省しているテルラムントを許してくれるようにエルザにお願いする際に、横たわって意気消沈しているように見えるテルラムントをエルザに見せる。
さて、エルザがオルトルートのいる地面に降りてくる間に、オルトルートが、キリスト教以前の神々を讃えて歌うが、「ヴォータン!」という声に、起き上がったテルラムントが目を剥いて驚くような表情をしたのは、古代の神々に帰依しているオルトルートの本性を初めて知ったということなのだろう。
第三幕では、婚礼の合唱が終わると、ローエングリンとエルザの二人だけになるが、部屋の真ん中にあるベッドが不釣り合いに小さいのは、二人が結局は円満に結びつくことはないということを意味しているのだろうか。その後、このベッドは、覆われていたシーツを取られて、白い石碑となり、一番最後で別の用途で使われることになる。
ローエングリンは天使のコスプレじゃなかった白鳥の羽を外して、舞台右手に置き、エルザとのやり取りを始める。やがて、禁問がエルザの口から発せられ、テルラムントが乱入してくる。が、テルラムントは、舞台右手に置いてある白鳥の羽に気を取られて?というか、白鳥の羽に斬りつけようとして、舞台左手にいたローエングリンに後ろから、あっさり斬られてしまう。
ここで舞台転換となるのだが、ご存知の通り、意気揚々とブラバントの人々が集まってくる非常に勇壮な音楽が流れてくる。
が、この演出では、独り舞台に残されたエルザが苦悶の声を上げ、舞台転換している間、舞台後ろを隠すために降りてきた幕には、夥しい墓石の並ぶ夜の墓地に、独り佇む女性の後ろ姿が描かれている。エルザと同じように髪を後ろに束ねているところを見ると、将来のエルザの姿だろうか。そう、戦争が始まるのだ。
最後に、ローエングリンが若きブラバント公を連れてくる、というか、運んでくるのだが、少年のミイラ化した屍体としか見えないブラバント公を、二人が結ばれなかったベッドであった石碑の上に置いたローエングリンは、なんとガッツポーズを取るのだ。
確かに、これから戦争に突入するであろうラストシーンをアイロニカル表現する意図は理解できる。脚本にも、テルラムントの仲間が「あの男(ローエングリン)は、我々を脅してもいない敵と戦うために我々を出征させるのか」という台詞が出てくる。が、あまりに厳しく救いの無い演出だと思わずにはいられなかった。
観客の反応は素晴らしく、前回の2013年の再演時よりも熱狂の度合いが高いように思った。
2013年にこの演出を最初に見た際には、ラスト・シーンのあまりの救いの無さに唖然呆然、大げさに言えば目にしたものが信じられないくらいで、そのラスト・シーンを確認するために今回、再度足を運んだとさえ言えなくもない。
二回見ることで、輝かしい英雄物語の根底に流れる隣国との戦争という悲惨な現実を浮き彫りにするという演出家の意図はよく理解できたし、その意図が思いつきではなく、このオペラの脚本を読み込んだ結果であり、それゆえの説得力を持っていることもよく解った。
某国の国立劇場の同じ演目のように、何の問題意識も無いような演出では無い点、さすが、ホルテンと思わずにはいられなかった。
実は、確認したい点の一つであった、ブラバントの人々に、童話に出てくるような中世風の衣装を着た人と、現代風の兵士の服装をした人がいるのは何故かという疑問は、今回も解けないままで終わった。
ベルリン・ドイツ・オペラでは、定番のワーグナーのオペラを同じ演出でかなり長く続けていくので、この謎解きは、次回のお楽しみとしておこう。
2014/2015シーズンでは、12月の2回と4月の2回で配役が異なり、4月ではフォークト、ハルテロス、グロイスベック、ランドグレン、マイヤーがキャスティングされている。
2015/2016シーズンも日によって配役が二通りあるので、例えば、フォークトがお目当てなら、彼が出る日であることを確認して予約を取りましょう。
私は、再演の2013年3月16日に鑑賞したが、今回のキャスティングとはフォークト、グロイスベック(彼は他の日に出ていたが、当日は確か代役であった)が共通している。
演出が非常に興味深かったことに加えて、マイヤーのオルトルートが聞けることから、また、足を運ぶこととなった。
舞台が始まる前に、劇場の人がマイクを持って舞台に登場した際には、誰がキャンセルしたのかと焦ったが、歌手はだれも問題はなく、カーテンを上げ下げする装置の調子が悪く、一番外側のメインのカーテンが使えないとのことで、一安心。
実際には、第一幕の終わりだけは、代用品の殺風景なカーテン(板?)がすごく遅いスピードで降りてきましたが、第二幕以降は装置が直ったのか、立派な紅色のカーテンが降りてきましたし、所謂カーテンコールも行われました。
ホルテンの演出の根底に流れるものは、戦争の悲惨さへの批判だと思われる。
まず、幕が開くと舞台には、沢山の人間が横たわっており、次第に、戦いの終わった戦場に倒れた兵士の亡骸であることが判ってくる。オーケストラの弦楽器に木管が加わるあたりで、舞台奥から女性が一人、二人、三人、四人と舞台に進み出て、死んだ兵士たちのなかで、自分の家族を探していく。金管が輝かしく響く際に、自分の家族の亡骸を発見したのだろうか、女性の一人が苦悶の声を上げる。前奏曲の清らかで神聖な響きとは明らかに異質な舞台が展開され、その強烈な対比には目が釘付けになる。同時に、この物語のバックグラウンドにある、隣国との戦争を嫌でも認識させられる。
前奏曲が終わると一旦幕が下り、おそらくは、倒れていた兵士がそのまま立ち上がって、ドイツ国王を歓迎するブラバントの人々を演じるというスマートな舞台処理。
一般的な演出では、生真面目な人間として描かれる伝令は頭に包帯をしており(その包帯に少し血糊が付いているのが不気味)、ブラバントの人々に国王への歓迎の意を表わすように裏で促したり、それを受けたブラバントの人々は、片手でポケットのあたりを叩くという、気乗りのしなさそうな態度だったりと、アイロニカルな演出が続く。
さて、エルザが右手から舞台中央に現れるというか、手枷足枷、目隠しまでされて、引き立てられて来る。このような格好のエルザを見たブラバントの人々が、「なんと清らかに見えることか」と歌うのも、相当なアイロニーを感じざるを得ない。
オルトルートは、エルザに付き添って中央に一緒に進み、さも気を使っているように見えるが、エルザが目隠しを外してほしいというようなポーズを見せると、さっと離れて右手の端に行ってしまう。
結局、目隠しはローエングリンが登場して少したってから外されるのだが、目隠しを外してもらったエルザが初めて実物のローエングリンを間近に見て、ハッとする表情を見せるという流れに繋げるあたりは芸が細かい。
テルラムントが国王を前にエルザを糾弾する間、オルトルートはテルラムントの少し後ろで、彼をバックアップしているような仕草を見せているのは、糸を引いてるのは彼女だということだろう。
伝令の呼び掛けに応えてエルザのために戦おうと名乗り出るものは誰もいないのだが、皆、応えないだけはなく、すこし子供っぽいポーズで両手で目を手で塞ぐというすこしコミカルな演技が付けられていた。
あわやその場でエルザが処刑される寸前に、舞台奥から白い煙が上がり、その煙の中で手に持っていた天使のコスプレみたいな白い羽根を背負ってから、ローエングリンが舞台に登場。
禁問の誓いの場面では、ローエングリンとエルザが中央で歌うのだが、ただ一人、二人のやり取りを右手で聴いているオルトルート以外は、全員後ろを向かせることで、嫌が応にも二人のやり取りに観客の神経を集中させるだけでなく、この三人を軸に物語が進んでいくことも表現するという意味でも効果的な演出だと思う。
ローエングリンとテルラムントの戦いは、舞台奥から上がってくる白い煙の中にローエングリンが一旦消えて、相手を見失ったテルラムントが煙の奥から再び現われたローエングリンにあっさり敗北するという演出で、やや拍子抜けの感もあるが、剣を実際に交えるような演出でも迫真の決闘シーンは実際上難しいので、これもまたスマートな処理と言えるであろう。
敗北したテルラムントは、右手で見ていたオルトルートの方に頼るように駆け寄るのだが、さっとオルトルートが身をよけて、テルラムントは転けて倒れるという少しコミカルな味付けがされていた。
テルラムントがつけていた首飾り(ブラバントの支配権の象徴か)は、ローエングリンのものとなり、ローエングリンを中央にブラバントの人々が彼を取り囲むという決めのポーズで第一幕は終了。
なお、メインのカーテンの調子が悪く、代用品のような殺風景なカーテン(板?)が下りてきたのだが、下りてくるスピードが遅く、出演者たちは下りきるまで待ちきれずに、途中で流れ解散?となった。従って、所謂、カーテンコールは無し。
第二幕は、巨大な十字架の形をした装置が宙吊りになっており、この巨大な十字架の装置は、エルザが出てくるテラスになるのだが、キリスト教支配の暗喩かもしれない。
その巨大な十字架の下の地面で、テルラムントとオルトルートがやり取りをしているのだが、やがて、オルトルートがテルラムントを右手端にうつぶせに横たわるように指示する。
すると左手から十字架の上を歩いてエルザが出てくる。オルトルートは、罪を償おうと反省しているテルラムントを許してくれるようにエルザにお願いする際に、横たわって意気消沈しているように見えるテルラムントをエルザに見せる。
さて、エルザがオルトルートのいる地面に降りてくる間に、オルトルートが、キリスト教以前の神々を讃えて歌うが、「ヴォータン!」という声に、起き上がったテルラムントが目を剥いて驚くような表情をしたのは、古代の神々に帰依しているオルトルートの本性を初めて知ったということなのだろう。
第三幕では、婚礼の合唱が終わると、ローエングリンとエルザの二人だけになるが、部屋の真ん中にあるベッドが不釣り合いに小さいのは、二人が結局は円満に結びつくことはないということを意味しているのだろうか。その後、このベッドは、覆われていたシーツを取られて、白い石碑となり、一番最後で別の用途で使われることになる。
ローエングリンは天使のコスプレじゃなかった白鳥の羽を外して、舞台右手に置き、エルザとのやり取りを始める。やがて、禁問がエルザの口から発せられ、テルラムントが乱入してくる。が、テルラムントは、舞台右手に置いてある白鳥の羽に気を取られて?というか、白鳥の羽に斬りつけようとして、舞台左手にいたローエングリンに後ろから、あっさり斬られてしまう。
ここで舞台転換となるのだが、ご存知の通り、意気揚々とブラバントの人々が集まってくる非常に勇壮な音楽が流れてくる。
が、この演出では、独り舞台に残されたエルザが苦悶の声を上げ、舞台転換している間、舞台後ろを隠すために降りてきた幕には、夥しい墓石の並ぶ夜の墓地に、独り佇む女性の後ろ姿が描かれている。エルザと同じように髪を後ろに束ねているところを見ると、将来のエルザの姿だろうか。そう、戦争が始まるのだ。
最後に、ローエングリンが若きブラバント公を連れてくる、というか、運んでくるのだが、少年のミイラ化した屍体としか見えないブラバント公を、二人が結ばれなかったベッドであった石碑の上に置いたローエングリンは、なんとガッツポーズを取るのだ。
確かに、これから戦争に突入するであろうラストシーンをアイロニカル表現する意図は理解できる。脚本にも、テルラムントの仲間が「あの男(ローエングリン)は、我々を脅してもいない敵と戦うために我々を出征させるのか」という台詞が出てくる。が、あまりに厳しく救いの無い演出だと思わずにはいられなかった。
観客の反応は素晴らしく、前回の2013年の再演時よりも熱狂の度合いが高いように思った。
2013年にこの演出を最初に見た際には、ラスト・シーンのあまりの救いの無さに唖然呆然、大げさに言えば目にしたものが信じられないくらいで、そのラスト・シーンを確認するために今回、再度足を運んだとさえ言えなくもない。
二回見ることで、輝かしい英雄物語の根底に流れる隣国との戦争という悲惨な現実を浮き彫りにするという演出家の意図はよく理解できたし、その意図が思いつきではなく、このオペラの脚本を読み込んだ結果であり、それゆえの説得力を持っていることもよく解った。
某国の国立劇場の同じ演目のように、何の問題意識も無いような演出では無い点、さすが、ホルテンと思わずにはいられなかった。
実は、確認したい点の一つであった、ブラバントの人々に、童話に出てくるような中世風の衣装を着た人と、現代風の兵士の服装をした人がいるのは何故かという疑問は、今回も解けないままで終わった。
ベルリン・ドイツ・オペラでは、定番のワーグナーのオペラを同じ演出でかなり長く続けていくので、この謎解きは、次回のお楽しみとしておこう。
| Casting | 2015/04/25 |
| Musikalische Leitung | Donald Runnicles |
| Inszenierung | Kasper Holten |
| Bühne, Kostüme | Steffen Aarfing |
| Licht | Jesper Kongshaug |
| Chöre | William Spaulding |
| Heinrich der Vogler | Günther Groissböck |
| Lohengrin | Klaus Florian Vogt |
| Elsa von Brabant | Anja Harteros |
| Friedrich von Telramund | John Lundgren |
| Ortrud | Waltraud Meier |
| Der Heerrufer des Königs | Bastiaan Everink |
| 1. Brabantischer Edler | Paul Kaufmann |
| 2. Brabantischer Edler | Álvaro Zambrano |
| 3. Brabantischer Edler | Noel Bouley |
| 4. Brabantischer Edler | Thomas Lehman |
| Chöre | Chor der Deutschen Oper Berlin |
| Orchester | Orchester der Deutschen Oper Berlin |
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